小さな目標球にボウルを近づけあうゲームは、古代からあったといわれています。考古学者のフリンダーズ・ピートリー(英,
Sir William Matthew Flinders Petrie, 1853-1942)は、紀元前5,200年頃の古代エジプトのピラミッドの遺跡調査で、一対のボウルと目標球を発見しています。
古代エジプトからギリシャ、ローマへとゲームは伝えられましたが、ゲームは一時、衰えます。再び、歴史に登場するのは、13世紀頃からです。フランスでは、シャルル5世の統治下で、兵士たちがあまりに夢中になったため、禁止令が出されるほど流行したとされています。
私たちが楽しんでいるゲームに近いものは、13世紀のイギリスで行われていたものです。イギリスでも、1336年にエドワード3世によって禁止令が出されましたが、人気は衰えることがありませんでした。
現在では、イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカを中心に、世界各国で200万人以上の愛好家がいるといわれています。世界を統括している組織は、国際ボウリング委員会(W.B.B.)と国際女子ボウリング委員会(I.W.B.B.)が2002年に統合して設立されたワールド・ボウルズ(World Bowls Ltd.)です。
アジアの国々では、日本をはじめ、マレーシア、ブルネイ、香港、韓国などでも盛んに行われています。
日本では、明治後期から、横浜市にあるY.C.&A.C.など、居留地外国人のスポーツとして移入されました。日本人によって、本格的に紹介されるようになったのは、1963年の林英夫氏によるものではないかといわれています。
国際競技会は、4年に1度の世界大会や、2年に一度のアジア・太平洋大会が開催されています。日本チームは、1976年に世界選手権大会初参加を果たしました。